消えそうな足跡をもう1度踏みしめた
第6実験室は今更私が言うまでもない程、当時のV系の中では秀逸なアルバムだったように思います。
1曲目からたった4行の歌詞、1分半にも満たない長さであれだけ良くも悪くも印象に残る-187-、その他も8割方、あらゆる存在を揶揄するかのような歌詞を乗せた曲。
時にドラマ。
曲調は全体を通してキャッチーで、「アングラです、サブカルです」という自己主張は前ボーカル在籍時に比べるとかなり薄れた物の、確かに継承はしていた。
ふざけているかのようで、よくよく聴くと格好良かった。
-187-のアウトロの壮大さとか、タイトルだけ見るとびっくりするようなママパパの深みとか。
ギャラクシーなんか、ギターのリフは超絶単調だし曲の展開も特筆するべき物は無ければ歌詞だって聴き手を舐めきっているように捉えられるのに、上手く言えないけれどツボで、今でも個人的にはcali≠gariの好きな曲の中でもかなり上位に入ります。
今更私が言うまでもないと言いつつ、第6実験室の事になるとつい少し熱くなってしまう。
とにかく、当時は衝撃的なアルバムでした。
噂によると石井は今ではこのアルバムを黒歴史視しているそうで、ガリストになったきっかけで思い入れのある身としては少し悲しいけれど。
ふざけている風の曲が大半の中、ラスト2曲に収録された青さんの曲も際立っていた。
特にママパパ、タイトルでエログロナンセンスな曲を予想していたのに、可哀想な少年の手記のような、人生論のような、歌詞と言うより文章と言った方が適切のように思える物でした。
で、秋の夕方に聴くと無条件で鬱な気分になりそうな気怠い、でも途中所々で明るさが垣間見れる曲調。
この人達の事をもっと知らなければ、と思いました。
今更な事が多過ぎますが、私がガリストになったきっかけです。